第三回 対談 コスモスイニシア山中一成×甲斐徹郎
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甲斐先生と次世代の環境共生住宅づくりに挑戦しようと思ったのは、周囲の環境と共生する住まいが21世紀の快適をかなえると思ったからです。

山中: 「緑のカーテン」を実際に体験させていただいて本当に驚いたのですが、外気温が30度を超えていても部屋の中は26度なんですね。クーラーがなくても充分に涼しいだけでなく、見た目にもとても気持ちがよかったです。
甲斐: 「緑のカーテン」は、天然のすだれとして、外からの輻射熱の影響を防いでくれます。「緑のカーテン」には、へちまやひょうたんなど瓜系の植物がおすすめです。ニガウリも楽しめます。
山中: つるが伸びる植物だと、こどもと一緒に観察して楽しめそうですね。
甲斐: 朝顔の観察ではないですが、自然や自分のまわりのことに興味を持つことはとてもいいことだと思います。環境について考えることは。まわりについて考えることからはじまりますから。
山中: 大人だけじゃなく、こどもと一緒に考えるエコロジー。難しいことより、まず身近なことからはじめるエコロジーですね。
甲斐: 私はエコロジーを、もっとシンプルに考えたいと思っています。例えば、夏の暑さをクーラーなしでしのぐためには、
(1)服でコントロールする。
(2)建物でコントロールする。
(3)建物の周囲でコントロールする。
という3点になると思います。
山中: クーラーは、(2)の建物に含まれることだと思うのですが、クーラーをつけながら、冷えすぎて服で調節するというヘンな状況もあります。


甲斐: 冷房病など、まだ人間がつくりだす快適は、完璧ではないんです。がまんをしいられる快適しかつくれてないんだと思います。それなら(3)建物の周囲でコントロールすることを、もっと活用すればいいのではないか。それが「自分が快適になる“がまんしないエコロジー”」につながることだと思っています。
山中: 私たちコスモスイニシアが、甲斐先生と次の時代を見据えた環境共生型の住まいづくりに挑戦しようと思ったのは、そんな甲斐先生の考え方に共感したからです。クーラーではなく、周囲の環境の力を借りて快適な住まいをつくる。昔は住まいの性能が悪く、周囲の環境の力を借りなくては住まいがつくれなかったのですが、住まいの性能が向上した今なら、環境を上手に活用した、素晴らしい環境共生住宅がつくれるのではないかと思ったからです。
甲斐: いろいろなアイデアとそのアイデアを実現した事例がたくさんありますので、そのノウハウを結晶させた住まいをつくってみたいですね。
山中: ぜひお願いいたします。そのための「新浦安環境住まい会議」です。
甲斐: 住まいの周辺環境をデザインするメンバーに、ガーデナーの正木さんも招いていますので準備万端です。
山中: 正木さんは、ガーデンニングの世界では、草分け的な方なんですね。しかもこれまでにも、甲斐先生と一緒に数々のプロジェクトを成功させてきた強力な助っ人です。
甲斐: 住まいの周辺環境で最も重要な緑の設計にはプロが必要です。正木さんはプロ中のプロです。
山中: 正木先生ともども、ぜひ、よろしくお願いいたします。

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